燈籠(神前、仏前)

燈籠は元来仏教に附随して伝来したものであるから始めは専から仏教のみに用いられていたのであるが、神に燈明を供へると云う思想はずっと以前からあったのでついに仏に捧げる石燈籠を神にも捧げることとなった。始めのうちは仏に捧げるものも神に捧げるものも形式上の差別はなかったようであるが、これでは如何にも周囲の建築と調和を欠くのでここに色々の形式が生ずるに至ったと思われる。

神明燈籠は、我国本来の曲線を用いない神社建築なる神明造りの神殿に調和する様に作られたもので、それは比較的に近世のものである、これは白木造りの燈籠を石で模範する感じである。