鳥居

神話の世界から律令制、仏教伝来による神仏習合、復古神道、そして現在へ。時代と共にさまざまな変遷を見せる神社と信仰の歴史。神社は日本人の(心のふるさと)だと表現される。人々の精神的な拠所として、また地域社会の調和・統合の象徴として、それなりの歴史を歩んできたのが神社であって、まさに民族信仰の原点に位置するものである。
そんな思いを石に込め・・・。

石鳥居

石鳥居の歴史鳥居は、神社の参道入り口に立てて神域を示す一種の門で、どんな小さな神社にもあり、日本人に最も親しみの深い建造物の一つと言える。鳥居の起源は諸説あり定まっていないが、古代インドで塔を囲む垣の門を「トラーナ」と呼んだことから、形や音が似ているので、これが鳥居の原型だという説もある。

石造鳥居の初期の遺品としては、山形市小立、同成沢、天童市荒谷の三ヶ所の鳥居が有名で、いずれも平安時代後期の造立である。この三鳥居は、柱間の広さに対して背が低く、石材は太くて全体に規模が小さいのが特色である。江戸時代以前のものは全国的にみて比較的少なく、山形県、兵庫県、佐賀県にかたよった感がある。このうち佐賀県に残っているものは、笠木と島木が一体化していて両先端がそり、笠木が三本つぎの特徴あるもので、肥前鳥居とも呼ばれている。